「総本家・喜多品老舗」さんの超絶鮒寿司
■今回のお題:
臭いことで有名な鮒寿司って本当のところどうなのよ?
今回の帰省の大きな目的のひとつが「琵琶湖名産の鮒寿司に初挑戦!」でした。私のあだ名が「フナ」(←顔が似てるから)なので、フナの共食いやってみようぜ〜、というしょーもないアイディアが発端です。しかし鮒寿司というと、その強烈な臭いが有名。 事前のヒアリングでも「あれは人間が食うもんじゃないよ」「友人が腐っていると思ってそのまま捨てた」なんてのばかりでしたし、われわれも半ば興味本位というか「いやーやっぱりあれは途轍もない激臭で食うのムリだったよ〜」というジマンネタになればOK、くらいの軽い気持ちだったのです。
ところが元来の凝り性ゆえ「どうせなら最高のものを食べようじゃないか」ということで、はるばる滋賀県は近江高島の超老舗(創業1619年!! 今のご主人で17代目!!)、喜多品老舗(きたしなろうほ)さんに夫婦で突撃してきました。「最高のものを買ってみて、もしそれでダメだったら、鮒寿司はきっと変わり者のためのいわばゲテモノってことなんだろう」、というわけです。
ところが、購入した鮒寿司を実家に持ち帰ってスライスし、恐る恐る嗅いでみてビックリ。ここんちの鮒寿司は「臭さ」とは無縁のものでした。お酒の麹を思わせるまろやかで奥行きのある香りがするのです。もちろん、この手の食品ですから独特の「くせ」みたいなものはありますし、大量にぱくぱく食べるようなものじゃありません。が、何とも形容しがたい実に奥行きのある味で「これはハマったらハマり倒すだろうな」と思えるほどのものだったのです。魚の部分はもちろん、魚を包んでいる純白のお米(最高級の近江米だそう)の部分も実に美味。辛口の日本酒を調達していなかったことを悔やんだのでした。
お店では若い奥様が応対してくれたのですが、店内の様子やお話にも実に感銘を受けました。なんでも、地域によってかなり味も臭いも違うんだそう。事実、琵琶湖の湖東エリアで手に入るものの中には、幾つかものすごい臭いのものもあるそうです(本当に好きな人はそっちにエスカレートしていくのかもね)。喜多品さんでは、3年以上をかけて天然のニゴロブナを仕込むそうですが、2回目の発酵に独自のノウハウがあって、それであのまろやかな仕上がりになっているんだとか。「なんだか鮒寿司=罰ゲームのネタみたいに言われて残念です」という奥様の言葉に、われわれも心の中で大いに反省。とにかく、貴重な食文化に触れることが出来てよかった・・・・・・いい経験をさせていただきました。
ということで、日本酒が好きで、ちょっとクセのあるつまみに目がない、なんていう人にはぜひ一度、お試しいただきたいと思います。これ、私の持論なんですが「不味い食い物」なんてきっと無いんですよ。要は、そのひと品が美味いか、不味いかってことだけ。喜多品さんの鮒寿司は、間違いなく実に美味な逸品でした。
@フナフナ
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