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アンリ・カルティエ=ブレッソン「瞬間の記憶」

Ca33000100010001「アンリ・カルティエ=ブレッソン 瞬間の記憶」を見てきました。いやー、写欲がまたまた高まっちゃって、出口で←早速(笑)モノクロでワンカットwithケータイ。たまたまモデルになってくれた方、ありがとうございます。気分はすっかりブレッソン。カンフー映画を見た後はなんだかステップが軽くなっちゃったり、クライム・サスペンスを見た後、武蔵小山が危険な街に見えたりするのと同じですね。

 でも、実は「あれ、ブレッソンって、そんなに好きじゃなかったのかも?」なんてことも思ったんですよね。若いころはもちろん大感動していた覚えがあるんですが、今の私が撮影したいものに比べると、写真芸術すぎちゃって。計算され尽くしたフレーミングとか、モチーフの配置とか、こんなにアーティスティックじゃなくてもいいなぁオレ・・・・・・なんていう失礼なことも考えてしまいました。熱狂的なファンのかた、ごめんなさい。
 ちょうど、数ヶ月前に見た岡本太郎さんの写真展(@東京都写真美術館)の方が今の自分にはしっくり来たんですよね。あれは、インタビューに答えていた岡本敏子さんのおっしゃる通り、“写真を撮影しよう”なんて考えず、ただ見たものに向かって夢中でシャッターを切った(←正確な言い回しはウロ覚え)のがそれぞれのカットから伝わってきて、写真としては全然シロウトっぽいんですが、魂が揺さぶられました。写真を通して、岡本太郎の脳が震える様子を見るかのような・・・・・・。これぞまさに“視神経の延長だよなー”と思ったんですよね。
 なので、この映画の中では、著名な「美しい」カットよりも、アメリカ/メキシコにおける写真が圧倒的に好きでした。ブレッソンが、より生身に感じられるというか、ブレッソンの魂が震えている様子を感じるように思えたからです。ご覧になった方、いかがでした?

 ま、どちらにしても、写真好きならぜひ見ておいてください。名言「フレーミングが正しければトリミングは必要ない」いやーその通りですね〜。これからも私、少々ショボくてもノーレタッチ&ノートリでそのままアップしていきます(解釈違う?)。また、「写真は瞬間の芸術」と、やっぱりブレッソンさん、バン!と銃を撃つような身振りで言ってました。特にストリートスナップはスナイパーみたいなもんですよね。それからいぬいぬ氏とふたりで言ったのは「写真って、モノクロで充分かも!」ということ。てことで、うちのデジタルカメラ、さっそくB&Wモードになってます。わかりやすい(苦笑)。

@ふなふな

それにしても、当時としては当然の事ながらピントも手動で合わせて、あんな「瞬間」をきっちりおさえられるって、本当に凄いな、、、と素直にびっくり。出来過ぎですね(笑)。そんなブレッソンが、途中から写真ではなく絵画の方に興味が移っていったというのも面白い。彼にとっては写真が簡単すぎたのかも。。。ちなみにパンフレットは1,000円でしたけれど、写真集としても使えるかなりのボリューム! ハードカバーだし、なかなか良いです。映画を見に行けない超忙しい方もパンフだけは手に入れておくとよいかも。

@いぬいぬ

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コメント

>starbloggerさま
そうそう、まさにstarbloggerさんのサイトを見て
「あ、やっぱりいっとかないと」と思って慌てて行ってきたんですよね。
寝そうになるのわかります(笑)。
うちは2階席だったのですが、1階だったらウトウトしてたかも。
2階席なかなか新鮮で。
白黒、色で表現できない不自由さが自由さに繋がってるんですよね。
陰影だけで表現しないとダメなんで。
ズームじゃない、単焦点レンズの「自由さ」に近いのかもしれませんねー。

投稿: うしうし | 2006/07/02 23:44

nicoさま、コンチワー
あの岡本さんの面白かったですねぇ〜
特に、ネガからそのまんま焼いた「コンタクトプリント」の状態で
見られたのが嬉しかったです。なんか、思考の過程(というか、昂る様子)が見えるようで。
そういえば、あのときも帰り道に盛り上がっちゃって撮影しながら
返ったのでした(笑)。わかりやすい

投稿: うしうし | 2006/07/02 23:40

>あちゅせになったということもありまして
時々これまでも登場していた
うしうしに変えてみました。どうかしら。

写真、ちょっと撮り慣れてくるとなんていうんですか
うまく撮ろうと思いすぎちゃってつまんないことになっていくんですよね。ま、そこを突き抜けるとまた次の段階に行けるんでしょうが。

それにしても、フィルムのころは、モノクロのフィルムをローディングしちゃったらそのまま腹をくくって1本撮るしかなかったに比べて
デジカメは途中切り替えできるわけで。
いけませんね、そういう利便性のアップに慣れちゃうと。
ORBITも秋に向けて忙しいですが「ノートリクラブ」とか作るといいかも(笑)。

投稿: うしうし | 2006/07/02 23:35

>ほぎ作さま
これ、ホギホギはみておいたほうがいいわよ。マジマジ。
写欲がたかまることウケアイ。
カメラを持って見に行って、スナップしながら帰ってくるのがオシシメ。
それにしても、変わっていてわかんないわ。cocon烏丸ってドコやねん??
貴船といえば、川床料理。いやー、涼みにいきたいわ。
上に行くほど高くなる(泣)

投稿: うしうし | 2006/07/02 23:22

写真家にはまったく詳しくないのですが、
この映画は見てみたいです。

僕も岡本太郎さんの写真展へ行きました。
考えて撮るのではなく、感覚で撮る。
う~む、確かにと思えました。

投稿: nico | 2006/07/02 19:56

こんばんは。
思いっきり呼び捨てにされようが、変態扱いされようが…
カメラを冒涜する構図だ何だと言われようが…
「何か?」
と言い返してあげます。

写真。
確かに技術云々ありましょうが、それだけではダメだと思ってます。
有名どころだとロバートキャパ。
決して写真はうまくないですが、心を揺さぶられる。
そんな人間の味のようなものがにじみ出る、提示される風景様子のチカラをそのまま、それ以上に現れるような写真を撮りたいと思いますです。ハイ。

これって、結局のところ、写真に限らず何にでも通じることなのかなぁ~と思ってます。岡本太郎の話ではありませんが、まさにそういうことなのでしょう。

一時期は、カラーがあるのに白黒で、というのは逃げかな、なんて思ったりしたこともありましたが。ま、安易に白黒だと雰囲気でるかなぁ~みたいな写真が多かったからかもしれませんが。
やはり、白黒の色彩感というのは、豊かだよね、と正直なところ思います。

僕も、ノーレタッチ&ノートリでそのままアップ方針で。
てか、トリミングはできるにしても、レタッチできるソフトがパソコンにないですわ。トホ
ではー

投稿: あちゅせ | 2006/07/02 01:32

私も観ました!
写真の好きな人にはいろいろためになる映画でしたねー。
のんびりしていい感じでした。

それにしても、ブレッソンさん、何気なく写真を手に持って解説していますけど
あのプリント、買ったら相当お高いんでしょうねぇ・・・いや、そんな下世話な話はやめておきましょう。

私も写真はシロクロがいいのかな、と最近思っています。
写真のブログも新しく始めてみたものの、モニターによって色が全然違うのです。
友達のパソコンで見たら凄く下品な色になっていてショックでした。

投稿: starblogger | 2006/07/01 22:04

観たいっっっ!!
行きたいです~~~!上映は七夕まででギリギリセーフ。
京都シネマってとこ、初めて知りました。てか、cocon烏丸ですか、ここ自体まだ行ったことないんですよね~
東京いる間にこんなものができてるとは。でも、ビルの前通ったんですけど、ビル自体のデザインはびみょーだと思いました。。。
あ、岡本太郎氏、私の通ってた大学の構内に、2階までの吹き抜けの壁が氏の壁画っていうカフェがありまして、その名も「カフェタロー」。ひねりなはれ。。。でもまあちょっとした自慢です。

つーか、あちゅせ(ヒッソリ呼び捨て)はいいとして、「変態」でひとまとめにしないでくださいよねフンガー!!!
「一風変わった女子」なだけですよ。。。
そんでミズカマキリの血とか吸ってないですから!(笑
鞍馬だ貴船だ花背(?)だ、山遊びしてた時はそこいらのグミとかイタドリ食らいながら駆け回ってましたけどねー(元・野生児の現・はんなり京女)

しかしツアーの写真と記事内容が多くどうまとめようか思案中です。
今日こそはーーー!(でもこれからとりかかるところ)

投稿: foggie | 2006/07/01 22:00

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